2023年10月27日に掲載したコラムに関連するTikTokの動画に、以下のコメントを頂きました。コメントありがとうございます。

2023年10月27日掲載コラム
→『不倫をされた場合の慰謝料はどのくらい?

頂いたご質問をもとに、『妻帯者であることを隠していた交際相手に対して慰謝料請求をすると、どのくらい貰えるのか』についてご説明します。

また、前回のコラム(動画)では、『交際相手が既婚者であることを知らなかった場合でも慰謝料を支払う必要があるのか?』について解説しました。

2024年2月2日掲載コラム
→『
交際相手が既婚者であることを知らなかった場合、慰謝料を支払う必要があるのか?

そして、次回のコラム(動画)では、『交際相手の男性が既婚者であることを知らなかった場合、妻からの慰謝料請求を無視しても大丈夫か?』について解説します。併せてご覧ください。

2024年2月16日掲載コラム
→『
慰謝料請求を無視したらどうなる?

解説動画では、説明が分かりやすいように、相談者の方を〈女性〉または〈あなた〉といい、その交際相手を〈夫〉または〈交際相手〉といい、夫の配偶者のことを〈妻〉といいます。

交際相手が妻帯者だった場合、そもそも慰謝料は貰えるの?

そもそも、結婚をしていないのに、妻帯者であることを隠していた交際相手に対して慰謝料請求ができるのかどうか、疑問に思われるかと思います。質問者様も気になっているところかと思います。

結論:貰えます。

なぜ結婚していなくても慰謝料が貰えるの?

慰謝料を請求するための条件は以下の①②でした。

①〈故意または過失によって、権利・利益が侵害されたこと〉
②〈権利・利益が侵害されたことによって損害が発生したこと〉

上記の条件について、詳しい解説は以下のコラムをご覧ください。

2024年2月2日掲載コラム
→『
交際相手が既婚者であることを知らなかった場合、慰謝料を支払う必要があるのか?

今回のご質問で問題になるのは、〈権利・利益が侵害されたこと〉という部分です。いったい何の〈権利・利益〉が侵害されたと説明できるのでしょうか。

法律には明記されていないのですが、裁判上、〈貞操権〉という権利が認められています。
貞操権というのは、“誰と性的な関係をもつかを自由に決定し、不当な干渉を受けない権利”と説明されています。

つまり、正しい情報に基づいて、その人と性的な関係をもつか否かを決定する権利があります。

ところが、交際相手が既婚者であることを隠して、独身であると偽っていた場合、相談者さんは正しい情報に基づいて判断できなくなります。つまり、目の前にいる既婚者と性的な関係をもってよいか否かを判断できず、その妻から慰謝料請求されてしまうリスクを犯したり、社会的な非難の対象となりうるリスクを負うか否かの判断ができなくなってしまいます。

そのため、交際相手が独身であると偽ったことで、正しい情報に基づいて検討する機会を奪われて交際し、性的関係をもった場合には、貞操権を侵害されたとして慰謝料請求が認められます。

慰謝料はどのくらい貰える?

令和に入ってからも、1年9ヶ月の交際期間で100万円、2年の交際期間で110万円の慰謝料支払い義務が認定された裁判例があります。

交際が始まった経緯、交際中の関係性、交際期間、年齢、交際の終わり方などを説明するために、どのような証拠があるか検討する必要があります。

また何より、請求相手である、交際相手の男性がどのような悪いことをしたのか証明する必要があります。

交際相手が妻帯者だった場合、慰謝料が貰える

あなたの交際相手が実は既婚者で、それを知らなかった場合、慰謝料を貰うことができます。そのためには、どういう事情があるのか、その事情を証拠によって証明できるのか等、判断が難しい部分もありますので、お悩みの方は是非一度弁護士にご相談ください。

解説動画

下記の動画も併せてご覧ください。

関連記事

シェア