2023年10月27日に掲載したコラムに関連するTikTokの動画に、以下のコメントを頂きました。コメントありがとうございます。

2023年10月27日掲載コラム
→『不倫をされた場合の慰謝料はどのくらい?

頂いたご質問をもとに、『交際相手が妻帯者であることを知らなくても、不貞の慰謝料を支払わないといけないのか』についてご説明します。

また、次のコラム(動画)では、『妻帯者であることを隠していた交際相手に、慰謝料請求できるのか』について、ご説明します。

2024年2月9日掲載コラム
→『
彼氏が既婚者だった!慰謝料が貰えます

そして、更に派生をさせて、その次の動画では『慰謝料の請求を無視したらどうなるのか』について説明します。併せてご覧ください。

2024年2月16日掲載コラム
→『
慰謝料請求を無視したらどうなる?

解説動画では、説明が分かりやすいように、相談者の方を〈女性〉といい、その交際相手を〈夫〉といい、慰謝料請求している人を〈妻〉といいます。

慰謝料を請求するための条件

慰謝料を請求するための条件は、民法709条に記載されています。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

つまり、慰謝料を請求する人は、以下の要件が揃っていることを説明しなければなりません。

①〈故意または過失によって、権利または法律上保護される利益を侵害したこと〉

法律上保護される利益は、不貞慰謝料請求事件だと、平穏な夫婦共同生活を維持する利益です。つまり、わざと、または不注意による行為で、平穏な夫婦共同生活を維持する利益を侵害された、ということ説明する必要があります。

②〈法律上保護される利益が侵害されたことによって損害が発生したこと〉

慰謝料というのは精神的苦痛に対する賠償ですので、ここでいう「損害」は、平穏な夫婦共同生活を維持する利益を侵害されたことで精神的苦痛が生じたということです。 慰謝料請求をされている側は、①や②の要件が揃ってないことを説明できれば、慰謝料を支払う必要がなくなります。

交際相手が妻帯者だと知らなかった場合

交際相手が妻帯者だと知らなかったのであれば、〈故意または過失〉がなかったと主張できます。

なぜなら、実際は交際相手に妻がいて、その妻に平穏な夫婦共同生活を維持する利益があったとしても、女性はその事実を知らなかったのだから、

仮に平穏な夫婦共同生活を維持する利益を侵害するような行為、つまり性交渉などがあったとしても、妻の利益を侵害することについて〈故意または過失〉がなかったと主張できるわけです。

交際相手は結婚してないよと明言していたし、結婚指輪を付けてなかったし、週末は頻繁に一緒に過ごしたし、バレンタイン、ホワイトデー、クリスマス、年末年始などのイベントも一緒に過ごしたし、家に行って何度も宿泊したけど、結婚していると疑う要素はなかった。また、同棲の話や結婚の話や子どもの話もしていた。

このような事情があれば、仮に不貞行為があったとしても、〈故意または過失〉がなく、慰謝料を支払わなくて良くなる可能性が高くなります。

交際相手が妻帯者だと知らなかった場合は〈善意・無過失〉となる

法務業界では、故意もなく、過失もなかったことを〈善意・無過失〉といいます。善意・無過失を認めさせるには高いハードルがありますので、お悩みの方は是非ご相談ください。

解説動画

下記の動画も併せてご覧ください。

関連記事

シェア